農家って儲かる?儲からない?就農7年目の考え |収入、販路、作物、設備投資について

こんにちは。あろえんの杉谷です。
アロエベラの生産をはじめて7年が経ちました。最初の3年間は収穫量も少なく他の野菜も栽培していましたが、4年目から生産、販売共に安定してきました。

農家って儲かるの?

今回は、農家の所得について書いていきます。

あろえん君

農家って儲かるの?儲からないの?

農家というと”お年寄りの趣味”というイメージだったり、テレビでは”年商1億円の農家!”だったりと両極端な印象ですよね。

儲かるの基準を一般的なサラリーマンの年収400万円とすると、結論的には儲かりません!
安定的に毎月20万円近くの給料とボーナス、厚生年金に加入しておられたら、同じ状況に農業でなるには才能と時間が必要だと考えてください。

それでは、何故儲からないのか?を書いていこうと思います。
理由は3つあります。

  1. 商品の単価が安すぎる
  2. 人件費を払えない
  3. 設備投資に多額の資金が必要

商品の単価が安すぎる!

皆さんは野菜の値段はいくら位をイメージされますか?
だいたい100円〜300円程度ですよね。単価の高い果物でも300円〜1,000円程度だと思います。
この価格だったら良いくらいで、スーパーで買い物をされる主婦の方々だと数十円高いか安いかで選ばれてしまいます。

例えばミニトマトが八百屋で売れていた場合ですが、もちろん売れた金額がそのまま農家に入る訳ではありません。
八百屋、市場、JAなどに売上の一部が渡りますので、八百屋で200円で売られても農家の手元に入るのは100円程度です。
そこから袋、シール、梱包資材などを差し引くと80円程度となります。

1袋売れて80円・・・。これは200円というミニトマトでも価格的に良い条件での例です。特売などで100円程度で売られていたら、農家の収入は半分の40円だと考えてください。

あろえん君

でも沢山作れば儲かるんじゃない?

その通りです。大量に作れば当然収入が多くなります。
では実際に先程のミニトマトを例に考えてみたいと思います。

まずミニトマトを200袋分収穫すると考えます。
1袋150gとして200袋用意するには30kgのミニトマトが必要になります。
約5kgのミニトマトを収穫するのに30分かかるとすると30kg採り終わるのに3時間が必要です。

そこからサイズ別に選別、重量を図り袋詰を行います。これが約2時間。
その後、市場、産直などの配達が1時間〜2時間となります。

ここまでの作業時間が合計で6時間〜7時間ですね。

ここから更にミニトマトの場合、芽かき作業やネットに吊るす作業が必要となります。必要であれば薬剤散布も。これらが2時間〜3時間。

毎日200袋採れるようにするには、苗も時期をずらして植えてやる必要があるので育苗作業も加わります。

ここまでの作業時間が10時間。加えて伝票整理、ビニールハウスの管理などが加われば作業時間は伸びます。

ここまで働いた上で、収入がミニトマト200袋分とすると、
80円×200袋=16,000円
となります。

しかもこれは価格が良い時なので、売れ残ったり、価格が落ちていると10,000円を切る場合もあります。

この利益からビニールハウス、ミニトマトの苗、肥料、農薬などの経費を支払う事になります。

1日1万円前後の売上で年間365万円。ここからビニールハウスのローン100万円。その他経費を差し引くと200万円は軽く切ります。

休まず1日10時間働いて、この収入。これが現実です。

注意
2年間ミニトマトを栽培した個人的な感想です。天候、市場価格、作物によって変わります。

人件費を払えない

あろえん君

でも人を雇えば効率も上がるし、生産量も増えるんじゃない?

確かに、1人で作業を行うよりも複数人の方が効率は良くなります。
収穫専属、袋詰専属、など分担すれば無駄な動きが減るので通常よりも3割くらいは作業時間は短くできると思います。

しかしそれは、1人で10時間以上働いていたのが7時間程度に減ったのと同じ。
そして人を雇うということは給料が発生しますので、時給900円にしても8時間で7,200円の人件費が必要となります。
※保険や交通費などは省いたものとします。

先程は200袋でしたが5倍の1000袋を毎日収穫するとして、4人をバーとで雇用したとします。
売上は1万円×5=5万円
と増えますが人件費が7,200円×4人=28,800円が必要となります。
人件費を差し引くと21,200円が雇用主の利益ですね。

そして規模が5倍になりますので、ビニールハウスを新しく建てたりと借金が増えます。1人でやっていた時は年間200万円が経費、ローンの支払いだったとすると単純に5倍で1,000万円の支払いが毎年必要となります。

21,200円×365=7,738,000円
ここから経費などの1,000万円を差し引くと・・・

−2,262,000円

なんとマイナス220万という結果になりました。

これは、かなり雑な計算なので正確なものではありませんが、個人レベルで取引額が少ないものを単純に増やしても人件費で半分消えているようだと、かえって借金が増えることになります。

生産量を増やすのであれば、それなりの設備、年間を通して利益がでる仕組みをつくってからやらないと意味がありません。

目安ですが、どんな業種でも人間1人雇うには売上が1000万円必要だと考えています。まずは1人で1000万円の売上をたてること、3人で3000万円を目指すことから進めた方が良いかと思います。

上記の計算だと売上は年間1800万円程度なので、設備投資を抑えて2人、もしくはアルバイト2人程度で同じ売上を目指せる経営状況にならないといけないと思います。

設備投資に多額の資金が必要

あろえん君

わかった。はじめから人を雇って大きくやらないようにして、まずは1人で利益が残る農業をすれば良いんだ!

必ずしも人を雇ってはいけない訳ではありませんけど、農業は年間通して仕事を作るのが難しい業種です。
カフェやお菓子屋さんなどであれば、お店を開けておけば人は来るかもしれませんが農業は作物が収穫できないと仕事も売上もない状況になりかねません。

計画的に仕事を用意して尚且売上が出る仕組みが必要です。

では最後に設備投資についてですが、
僕は後継ぎ農家なので、設備投資に多くの資金は必要ありませんでした。
しかし、全くの新規で就農される方は1から土地や、ビニールハウス、倉庫などを用意しなければなりません。

値段は地域によって変わりますが、僕の住んでいる地域だと畑1反が50万円。ビニールハウスは1反くらいのものだと1000万円。倉庫が土地込みで2000万円必要です。
トラクターや軽トラを用意すると中古でも200万円は必要で、その他もろもろ冷蔵庫や選別機などなどで100万円。

先程のミニトマトの例だと1日200袋収穫しようとすると3反分は必要だと思うのでビニールハウスは3000万円ですね。

ざっと計算しただけでも5000万円は必要です。

露地栽培だとまた変わってきますが、重量野菜がメインになると思うので、人件費、設備費が跳ね上がると思います。

5000万円を借金したとして35年ローンだと年間143万円の返済が必要です。
補助金や助成金を利用すればかなり抑えることはできますが、老朽化もするので、年間100万円は返済や設備維持費で消えると考えて良いと思います。

まとめ

以上が就農7年目の農家の僕が考える、農家が儲からない理由です。
僕自身、小さな農家の若造でしかないので、しっかりと儲けられている農家の方も多くいらっしゃると思います。
今はそこそこでも、今後大きく儲けることを進められている方も多いかと思います。
この記事は、なんとなく農業って儲かるのかな?と思っておられる方に読んでいただき、農業を始めたいと思うと同時に、しっかりと稼ぐ(最低限の収入を得る)農業を目指してほしいと思います。

あろえん君

農業って自然の中で、ゆったりとした生活♪なんていうイメージだけで始めると借金まみれになる!ってことだね?

その通り♪

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